to 不定詞とは、
を中心としたひとまとまりになっているフレーズのこと。
to 不定詞は
- 名詞
- 形容詞
- 副詞
の働きをする。
ちなみに『to』の後ろにくる『動詞の原形』は動詞そのものではなく動詞の生まれ変わりみたいなもの。
なので、to不定詞の文は、1つの文に動詞が2個入っているわけではない。
→likeが動詞で、walkは不定詞
また、『to』が入っていないと動詞が2つ続く文になってしまうのでNG!
×I like walk.
◎I like to walk.
to 不定詞を理解するための2つのポイント!
to 不定詞は使いどころがたくさんあるので、難しく思われがちだが、ほぼ
『to』はただの矢印!!
と理解していれば読み解ける!
わたしは好き→歩くこと
(私は歩くことが好き)
私は欲しい。何か冷たい→飲み物
(私は何か冷たい飲み物が欲しい)
彼女はきた→私に会いに。
(彼女は私に会いにきました)
また、to不定詞は日本語訳にしようとすると複雑になりがち。
なので、基本は日本語訳にしないで前から理解していくことが大事!
もし、テストなどでキレイな日本語訳にしなくてはいけないのなら、先ほどの例文のように先に前から理解して、後からキレイな日本語訳に直した方が良い。
この後の説明もすべて『矢印』と『前から読み解く』ことを意識すればto不定詞は簡単!
to不定詞と前置詞toの違い
to不定詞を理解する時に混乱してしまいがちなのが前置詞『to』との違い。
この2つの違いは
- to不定詞→toの後ろに『動詞の原形』
- 前置詞→toの後ろに『名詞(代名詞、動名詞も含む)』
なだけで、基本的なイメージは両方とも『矢印』と理解していればOK!
私は行く→学校へ
(私は学校へ行く)
私は好き→歩くことが
(私は歩くことが好き。)

名詞的用法
to不定詞は名詞の位置(主語・目的語・補語)に使えば名詞として使うことができる。
主語としてのto 不定詞
歩くことは楽しい。
多くの場合、
- ~することは
と訳される。
『walk』のような動詞もto不定詞にすることで主語になれるのが特徴。
(Walk is funは日本語的には一緒だが『一般動詞+be動詞』になってるのでダメ!)
この場合、訳す時はtoを見ずにそのまま前から訳していけば日本語訳とほぼ似た意味になる。
また、to不定詞でのこの表現はどことなく冷めている一般論のような響きがある。
歩きながら「歩くことは楽しい!」と言っているというよりも静かに「歩くことは楽しいですよ」と言っているような感じ。
to不定詞が主語になる文は、主語が長くなる傾向にあるので、形式主語のitで結論を簡潔に述べてから、本当の主語を繋げる、というパターンも多い。
→It is hard to study in a noisy room.
うるさい部屋で勉強をするのは難しい。
文の読み解き方の方向性としては、接続詞のthatと似た感じで、
- 先に結論
- その後に『to』が本当の主語を導いている
という状態。
目的語としてのto 不定詞
私は好き→歩くことが。
(私は歩くことが好きです。)
多くの場合
- ~すること
と訳される。
こちらも、歩きながら「歩くことが好き!」と言っているような感じではなく、静かに「私は歩くことが好きです」と言っているイメージ。
補語としてのto 不定詞
私の夢→歌手になること。
(私の夢は歌手になることです。)
補語はそもそも主語(My dream)の説明をしているのと、be動詞の『is』はほとんど意味を持っていないのがポイント。
日本語訳で考えると「to不定詞にしなくても伝わるんじゃ…?」と思ってしまいがちだが
→動詞のない文になってしまっている(beは不定詞であって動詞ではない)
→isとbeで動詞が2回続いているのでNG
なので、補語をto 不定詞にする必要がある。
形容詞的用法
私は鍵を持っていません→この部屋を開けるための
(私はこのドアを開ける鍵を持っていません。)
不定詞が、toの前の名詞を修飾するパターン。
名詞を修飾する不定詞は必ず修飾する名詞の後に置かれる。
(名詞 to 不定詞)
副詞的用法
不定詞が、名詞以外の語句や文を修飾する時は『副詞的用法』と言われる。
どれも日本語訳は違うが、根本はただの矢印なので難しく考えないことが大事。
目的をあらわすto不定詞
私は止まった→水を飲むために。
(私は水を飲むために立ち止まりました。)
- ~するために
と訳されることが多い。
前の文の理由(目的)をto以下で述べている。
結果をあらわすto不定詞
彼女は成長した→歌手になった。
彼女は成長して歌手になった。
- その結果~
と訳されることが多い。
感情の原因をあらわすto不定詞
私は嬉しい→新しい靴を手に入れた。
(新しい靴が手に入ったのでとても嬉しいです。)
- ~したので
と訳されることが多い。
先にどんな気持ちかを述べて、その感情になった原因を後から説明している。
判断の根拠をあらわすto不定詞
彼女はお腹が空いているに違いない→たくさん食べる
(そんなにたくさん食べるなんて彼女はお腹が空いているに違いない。)
- ~するなんて
と訳されることが多い。
先に何かしらの判断を下した後、その根拠を説明している。
to不定詞が使われるその他の形
少しだけ特殊な形だが、基本はやはり『矢印』
come/get + to不定詞
私は(その状況が)きた→その町が好きに
(私はその街が好きになった。)
わたしはすぐに(その状況に)到達した→知り合い
(私たちはすぐに知り合いになった。)
- come to 不定詞
- get to 不定詞
は、
- ~するようになる
と訳されることが多い。
『come/get + to不定詞』は、普段使っているgetやcomeと同じように「きた、到着した」という意味で使われている。
それが、場所ではなく『その状況になった』と説明しているだけ。
ちなみにcomeとgetは
- come→自然とそうなっていく
- get→自らそうなっていく
という違いがある。
be to不定詞
be to 不定詞には
- 予定「~する予定」
- 意図「~するつもり」
- 命令「~しなくてはいけない」
- 可能「~できる」
- 運命「~する運命だ」
という5つがあると言われているが、これもすべて『矢印』で解決できるので難しく考える必要はなし!
今まで通り、結論→説明で考えれば勝手に文脈的に5つの意味になる。
また、『be to不定詞』はかしこまった硬い言い方な点を心に留めておくこと。
私たち→明日会う
(私たちは明日会う予定です。(予定))
もしあなたが→勝ちたい。
(勝ちたいと思うのなら、もっと練習をしなくてはいけません。(意図))
あなたは→煙草を吸ってはダメ。
(この部屋で煙草を吸ってはいけない。(命令))
※to不定詞の否定文は『to』の前に『not』がくる。
何もなかった→空に見える
(空には何も見えなかった(可能))
彼女は→二度と彼に会うことはない。
(彼女は二度と彼に会うことはなかった(運命))
形容詞を説明するto不定詞
彼女は簡単→だます
(彼女をだますのは簡単だ。)
easy | 簡単 |
hard | むずかしい |
difficult | むずかしい |
impossible | 不可能 |
certain | 確かな |
likely | ありそうな |
unlikely | ありそうもない |
といった難易や可能性をあらわす形容詞と共にto不定詞が使われることが多い。
先に、形容詞で難易度や可能性を言い切り、その後to不定詞で「何がそうなのか」を説明している。
too…to不定詞
このコーヒーは熱すぎる→飲む
このコーヒーは飲むには熱すぎる。
too…to~で、
- ~するには…すぎる
という文になる。
『too』が「あまりにも…」といった何かをするには限度が超えているという否定的なニュアンスを持っている。
このtooのニュアンスさえ知っていれば読み解きは簡単!
tooの後ろに何が限度を超えているのかが示され、その後、何をするために(矢印)がきているだけ。
…enough to 不定詞
彼女は十分にお金持ち→それを買うのに
(彼女はそれを買えるほどのお金持ちです。)
enoughが『十分』という意味を持っているため、先に「十分~」と何が十分なのかを言い切り、その後に何をするのに十分なのか(矢印)がくる。
この用法の読み解きで少し混乱しがちなのが
彼女は十分親切→わたしを助ける
(彼女は親切にもわたしを助けてくれた。)
これは、
- 『十分親切』→『私を助ける』
- 『私を助けるのに十分なくらい親切』
- 『親切にも私を助けてくれた』
という連想ゲームのような訳し方になっている。
また、enoughの後に絶対に『to』がこなくてはいけないというわけではなく、間に『to不定詞』の意味上の主語がくることもある。
わたしはついに十分なお金を手に入れた→それを買う
(わたしはついにそれを買うための十分なお金を手に入れた。)
こちらの方が訳す時はそのままなのでわかりやすい。
疑問詞 +to 不定詞
私はアイデアを持っていない→何を言うか
(何と言っていいかわからない。)
why以外の
- what(なに)
- who(だれ)
- when(いつ)
- where(どこ)
- which(どっち)
- how(どうやって)
は、to不定詞とくっつく。
すべて、疑問詞の意味をto不定詞が受け取っているだけ。
何と→言うか
誰を→招待するか。
いつ→スタートするか。
どこで→買うか。
どっちを→買うか
どうやって→踊るか
動詞の目的語として、この疑問詞+to不定詞が使われることが多い。