a(不定冠詞)the(定冠詞)無冠詞の使い分け!イラスト付きでイメージを掴む!

英文法。aとtheの使い分け(冠詞)
冠詞とは、名詞の前につける

  • a/an(不定冠詞)
  • the(定冠詞)

のこと。

同じ名詞でも、このa/anやtheを使い分けたり、冠詞をつけない(無冠詞)ことで違ったニュアンスを持つことになる。

英文法。無冠詞、不定冠詞、定冠詞の違い

book.(無冠詞)
→「本というものは~」という感じで本の役割に焦点を当てるイメージ

a book.(不定冠詞)
→何の本のことかわからないけど、とりあえず「1冊の本」というイメージ

the book.(定冠詞)
明確な「1冊の本」というイメージ

ちなみに、冠詞を含む『限定詞(名詞に情報を与える詞)』は2つ続けて使うことはできない。

×my the book.
×this a book.
my book.
this is a book.

不定冠詞『a/an』

不定冠詞『a/an』は、『数えられる名詞(可算名詞)』『単数形』と結びつく。

不定冠詞『a/an』は可算名詞の単数形と結びつく

『a』の後ろにくる名詞が『母音(a,i,u,e,o)』で始まる場合は『an』

an apple.

ただし、この『母音で始まる』というのはあくまで『発音の話』なところに注意。

  • 名詞が母音ではじまっていなくても、発音が母音で始まるのなら『an』
  • 名詞が母音ではじまっていても、発音が母音じゃないなら『a』
an hour.
a university.

名詞の前に『a/an』を使うのは

  • 数えられる名詞が話にはじめて出てきた時(単数の場合のみ)
  • どれでもいいからとにかく1つ

が基本。

数えられる名詞が話にはじめて出てきた時

不定冠詞『a/an』の基本イメージ
『a/an』の基本イメージは

  • 特定はできないけど、とにかく1つ
  • たくさん数があるの中の1つ

なので、

会話でも文章でも、聞いている人や読んでいる人が『特定のものをイメージできない状態』の場合は『a/an』が使われる。

初めて会話に出てきた可算名詞は『a/an』ではじまる

I read a book yesterday.
→聞いている人や、読んでいる人は「何の本かわからないけど、昨日1冊本を読んだんだな」と感じる状態。

また、1度会話に出てきた名詞については、聞いている人や読んでいる人は「それについて(特定のもの)の話をしている」と認識できるので、『a』から入って『the』で話を広げていくのが基本。

aではじめてtheで展開する

I read a book yesterday. The book was interesting.
→昨日1冊本を読んだ。その本(昨日読んだ本)は面白かった。

どれでもいいからとにかく1つ

また、話している人自身が

  • とくにこだわりはないけど(特定のものを思い浮かべず)1つ

という場合も『a/an』が使われる。

話し手が名詞を特定する気がない時も『a/an』

I read a book.
→(何でもいいけど、特に決まってないけど)1冊本を読む。

あくまで単数の時に使うことを忘れない!

不定冠詞『a/an』は『1つの』というイメージを持っているので、複数の話をしている時には『a/an』はつけない!

×I read a two books.
I read two books.

つい流れで口から出てしまったり、ペンを走らせてしまうこともあるので注意。

the(定冠詞)

定冠詞『the』のイメージ
定冠詞『the』は、具体的な1つのモノ(1つのグループ)をあらわす時に使う。

『the』の後ろにくる名詞が『母音(a,i,u,e,o)』で始まる場合は『the(ザ)』ではなく『the(ジ)』に近い発音になる。

『the』を使う場面としては

  • すでに話に出た名詞の話をする時
  • 状況からして何を指しているかわかる時
  • 内容からして特定のモノが思い浮かぶ時
  • そもそも1つしかないモノ、人を指す時
  • みんなに共通のイメージが湧く時

が基本。

共通しているのは『間違いなくこれ!』というのをお互いが認識できるものが『the』

すでに話に出た名詞の話をする時

aではじめてtheで展開する
不定冠詞『a/an』で説明した通り。

話の中で1度登場している名詞は、お互いが「それの話をしているんだな」と間違いなく認識できるので『the』が使われる。

状況からして何を指しているかわかる時

状況からして何を示しているかわかる時にもtheが使われる
例えば、ちょうど教室に入ってきた人や、ドアの近くに立っている人に対して

「ドアを閉めて」

と言う時には

Close the door.

といった感じで『the』が使われる。

これは、状況からして「どのドアを閉めて欲しいのか?」がわかるから。(ドアを特定できる)

同じように駅の場所を聞きたい時にも特定の『the』が使われる。

Where is the station.(駅はどこですか?)

これはお互いに「探している駅=1番近い駅」と感覚で特定することができるから。

内容からして特定のモノが思い浮かぶ時

文の流れからして何を指しているかがわかる時にも『the』が使われる。

文の流れからして何を指しているかわかる時も『the』が使われる

イメージとしては

I have a book.The writer is famous.
(私は本を持っています。(その本の)作家は有名です)

こんな感じ。

基本は、最初のすでに話に出た名詞の話をする時と同じで(a/anではじめてtheで話を広げる)それの応用。

『作家(writer)』自体ははじめて出てくる名詞だが、先に本の話をしているので、その後に出てくる作家=その本の作家と特定できるため『the』が使われる。

そもそも1つしかないモノ、人を指す時

そもそも世界に1つしかないものを指す時にも『the』を使う
世界に1つしかないモノ、1人しかいない人を指す時も必然的に特定できるため『the』が使われる。

  • the earth.(地球)
  • the sun.(太陽)
  • the moon.(月)

また、first(はじめて)やonly(唯一の)といった1つに特定されるものを指す時も『the』になる。

確実に1つ、1回、一人しかないものに対しても『the』

This is the first book I read.
(これはわたしが初めて読んだ本です。)

ただ、『the』はあくまで『特定できるモノ・人』に使う。

firstやonlyは『はじめて』『唯一』といった意味を持っているため、『the』との相性が良く、使われる場面が多いが、

×first = the
×only = the

という意味ではない。

たとえば、

He is an only child.(彼は一人っ子です)

He is the only child in the family.(彼は家族の中で唯一の子供です。)

1つ目は、『一人っ子』をあらわすために『only』が使われているが、一人っ子自体は世の中にたくさんいる(一人っ子=話に出てきた彼と特定することはできない)ので、『an』

2つ目は、同じように『一人っ子』でも『その家族の話』に限定されているため、その家族の中の唯一の子供=『彼』と特定できるので『the』になる。

みんなに共通のイメージが湧く時

みんなに共通のイメージが湧く場合も『the』が使われる

  • play the piano.(ピアノを弾いているイメージ)
  • the town.(都会のイメージ)
  • the young.(若者のイメージ)
  • the rich.(お金持ちのイメージ)

といった感じで、みんなが共通したイメージを持つものの場合も『the』が使われる。

楽器に『the』がつくことが多いのは、楽器=弾いている姿をみんなが共通してイメージできるから。

また、文脈(play)的に楽器に『the』がつくことが多いだけで『a/an』が使われないというわけではない。

I have a piano.(わたしはピアノを持っています)

I buy a piano.(わたしはピアノを買います)

といった感じで、『a/an』は使われる。

楽器に『the』がつくのはあくまで皆に共通のイメージが湧く場面だけ。

同じように、『young』も文脈的に誰を指しているかわからない中で急に出てきた『the young』「イメージとしての若者」

今の日本なら「うぇーい!!」って感じの若者とか。

「最近の若いやつは…」

みたいな感じで言われる時にイメージされる若者を『the young』としている。

逆に

I met a kind young.(親切な若者に会った)

みたいな感じで、若者を1人の個人として見ている時かつ話に初めて出てくる時は『the』ではなく『a』になる。
(もちろん、その後話が続くようなら『the』になるが、ここに『一般的な若者のイメージ』は含まれていない)

無冠詞(aやtheがつかない)

無冠詞は

  • 境界がない
  • 何かを特定(the)するわけでも、1つと限定(a/an)するわけでもなく、ふんわりと全体や機能に焦点を当てている

時に使われる。

境界がない

何をもって『1つ』と定義するかが曖昧なものは、基本的に冠詞をつけられない。

なので、不可算名詞(数えられない名詞)は基本的に無冠詞になる。

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ふんわり全体をあらわす

  • theは特定
  • a/anは不特定だが1つに焦点を当てている

それ以外なら基本的に無冠詞になる。

例えば、猫好きの人の場合、ある1匹や特定の猫が好きと言うより「猫という生き物そのものが好き!」なので

I like cats.(私は猫が好きです)

猫が好き!という場合は『無冠詞』

という感じで『無冠詞』でふんわり全体をあらわすのが基本。

冠詞をつけてしまうと、

冠詞をつけてしまうと、範囲が狭まってしまう

I like a cat.(私はとある1匹の猫が好きです)

I like the cat.(私はある特定の猫が好きです)

となってしまって、猫そのものが好きというより「条件付きで猫が好き」になってしまう。

また、同じように特定や1つに限定せずその名詞の持つ

  • 機能
  • 役割
  • 性質

を説明する時にも無冠詞になる。

例えば

go to bed.

この時のbedは、ある1つのbedでも特定のbedでもなく、単に『寝る場所』としてのbedなので無冠詞になる。

同じように

go to school.

も建物としての学校や、ある学校を指しているわけではなく『勉強する場所』としてのschoolなので無冠詞。

逆に、1つの学校の話をしていたり、学校という建物の話をしたい場合には『a』がつき、特定の学校を指す時には『the』が使われる。

要は、具体的な話ではなく、ぼんやり全体の話をするなら無冠詞というイメージ。

a/an,the,無冠詞の使い分けまとめ

  • a/an(不定冠詞)→数えられる名詞の単数形。特定できないけどとにかく1つ
  • the(定冠詞)→具体的に特定・イメージできるものに対して
  • 無冠詞→ぼんやりと全体を指す時や、役割、機能、性質に注目する時。
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