完了形(have + 過去分詞)は、今とそれ以前に焦点を当てる現在完了形以外に
- 焦点が過去のある1点とそれ以前に向いている『過去完了形』
- 焦点が未来のある1点とそれ以前に向いている『未来完了形』
がある。
基本は現在完了形と同じなので、現在完了形が理解できていれば簡単に理解することができる!

過去完了形
わたしが映画館についた時には、すでに映画は始まっていた。
過去完了形は
であらわすことができる。
難しく考える必要はなく、基本は現在完了形と同じ。
単に、現在完了形の『現在』の部分が『過去のある1点』になり、その場所からさかのぼる意識で話す、というだけ!
この文の場合、
- 過去のある1点は「映画館についた時」
- そこからさかのぼって「映画ははじまっていた」
という話。
過去完了形の主語+hadは短縮形にすることが多い。
- I had → I’d
- you had → you’d
- she had → she’d
- had not → hadn’t
過去完了形にも現在完了形と同じ
- 継続
- 過去完了進行形
- 経験
- 完了・結果
の用法があるが、これらもすべて現在完了形の『現在』が『過去のある1点』に置き換わっただけ!
継続なら、過去のある1点の時点でどれくらいその状態を継続していたのか。
わたしは京都に来る前に東京に3年間住んでいた。
過去完了進行形なら、過去のある時点までにどれくらいその動作を継続していたのか。
わたしは彼女がくるまで30分以上待っていた。
経験なら、その過去の時点までにどれくらいの経験があったのか。
彼と大学で会う前に、私は彼に一度会ったことがある。
完了なら、過去の時点までに何があったのか。
わたしが映画館についた時には、すでに映画は始まっていた。
大過去の用法
過去完了形には、『大過去』と呼ばれる用法がある。
これは、過去に起こった2つの出来事について、実際に起こった順序とは逆の順序で述べる場合の用法で、前に起こった出来事を過去完了形にする。
(2つの出来事の前後関係を明確にするため)
レストランに傘を置き忘れたことに気づいた。
この場合、過去に起こった2つの出来事というのが
- 傘を置き忘れたこと
- 傘を置き忘れたことに気づいたこと
の2つ。
この2つは
- 傘を置き忘れる
- それに気づく
という順番で出来事が起こっているが、英文で
私は気づいた
と先に『後から起こった出来事』から話はじめたため、それ以前をあらわすために先に起こった「傘を置き忘れた」を
と過去完了形にしている。
ちなみに、この大過去の用法を使う文は、時間順通りに述べる場合、単なる過去形にすることもできる。
私はレストランに傘を置き忘れて、それに気づいた。
未来完了形
宿題は午後4時までには終わっているだろう。
未来完了形は
であらわすことができる。
難しく考える必要はなく、基本は現在完了形と同じ。
現在完了形の『現在』が『未来のある1点』になっただけ!
- (未来のある時点までに)~してしまっているだろう。
と予測している。
未来完了形にも現在完了形と同じ
- 継続
- 未来完了進行形
- 経験
- 完了・結果
の用法がある。
継続なら、未来のある1点の時点がくるとどれくらいその状態を継続していることになるのか。
わたしは今週末で1か月入院していることになる。
未来完了進行形なら「(未来のある時点まで)ずっと~し続けているだろう」ということになる。(ただし、あまり使う場面は多くない)
来年で、私はこの会社に10年勤め続けたことになる。
経験なら、未来のある時点まででその経験がどれくらいあるのか。
もう1度見たら、私はその映画を3回見たことになる。
完了なら、未来のある時点までにどうなりそうなのか。
宿題は午後4時までには終わっているだろう。
助動詞+完了形
完了形のhaveは助動詞と言われることも多いが、willやmayのような助動詞とは別物(ほぼ動詞)なので、他の助動詞と組み合わせて
で、以前起こったことに対する気持ちをあらわすことができる。
- may have + 過去分詞(~したかもしれない)
- could have + 過去分詞(~したかもしれない)
- must have + 過去分詞(~したに違いない)
- should have + 過去分詞(~したはずだ、~すべきだったのに)
- can’t have + 過去分詞(~したはずがない)
これらはすべて「それぞれの助動詞が持つ意味」と「完了形」がリンクしているだけなので、助動詞の理解が大切!
ちなみに、「助動詞+have+過去分詞」の場合は、haveではなく『助動詞を否定形』にする。
