過去分詞は、
- 受動(~される、~されている)
- 完了(~している)
の2つのイメージを持つ動詞の変化形。
どちらイメージそのものは『受ける』
- 受動→周りからの影響を『受ける』
- 完了→過去を『受ける』
ケンはわたしに好かれている。
過去分詞は過去形と同じ動詞の形をしていることも多い。
(一般動詞の語尾に『-ed』)
過去分詞と過去形の違い
過去分詞や受動態(受け身)を学習する前に確認しておきたいのが、過去分詞と過去形の違い。
過去分詞は過去形と同じ形をしていることも多いため、この2つを見分けられないと文章を読み解けない。
結論から言うと、文の中に
- 過去形→動詞は過去形1つだけ
- 過去分詞→過去分詞とは別に動詞がある
(動詞が2つあるように感じる)
なぜかというと、
- 過去形は『動詞の1種』
- 過去分詞は『動詞ではない』
から。
英語の文は1つの文に動詞が1つ入る形が基本のため、過去分詞を使う文では過去分詞とは別に『動詞』が入る。
(過去分詞は動詞ではないので、過去分詞だけだと動詞のない文になってしまう)
ケンはわたしに好かれている。
逆に、過去形の場合は過去形そのものが動詞のため、動詞は過去形1つあれば十分。
ケンはわたしのことが好きだった。
つまり、文章の中で過去形か過去分詞を見分けたい場合は
過去分詞(もしくは過去形)とは別に『動詞』があるかどうか
を確認すればOK!
また、動詞を入れずに過去分詞だけにしてしまうと同じような文章でも単なる過去形のようになってしまい、意味が変わってくるので注意。
【過去分詞】ケンはわたしに好かれている。
【過去形】ケンはわたしのことが好きだった。
過去分詞の用法『受動態(受け身)』
過去分詞が使われる場面で最も大切なのが『受動態(受け身)』の文。
であらわすことができ、
- ~される
- ~されている
と訳されることが多い。
このテーブルは毎日掃除されます。
また、過去分詞を使った文の過去形は『be動詞』によってあらわされる。
この絵は彼女によって描かれました。
受け身の表現は
- された側が主人公
- 感情・心理
といった自分の意志が関係しない出来事を語る時に使われることが多い。
受け身表現1:された側が主人公
このテーブルは毎日私に掃除されます。
今までの文(能動態)の場合は、
私は毎日このテーブルを掃除します。
と、『掃除をする側』が主人公だった。
だが、受動態のこの文は『掃除をされるテーブル』が主人公になっている。
このように『された(自ら何かをやったわけではなく、勝手にそうされた)側』が主人公の場合に受動態(受け身)は使われる。
この使い方の場合、たびたび「~によって」と表現するために『by』が一緒に使われる。
でも、絶対にbyが使われるというわけではなく、表現によって前置詞の使い分けが必要になる。
このカフェは午前9時に開かれます。
その人形はフランスで作られました。

受け身表現2:感情・心理
彼女は驚いた。
shocked | ショックを受ける |
excited | 興奮する |
satisfied | 満足する |
disappointed | がっかりする |
pleased | 喜ぶ |
annoyed | 腹が立つ |
というような『感情・心理』をあらわす場合も、受動態が使われる。
これは「(外部から)~な気持ちにさせられる」という受け身の状態だから。
主語となる人が、驚こうと思って驚いたのでも、喜ぼうと思って喜んだのでもなく、
「(何かしらに勝手に)驚かされた」
という受け身の状態にあるので受動態が使われる。
受け身は単なるbe動詞文とほとんど同じ!
受け身の
- 否定形
- 疑問文
- 助動詞を使った文
- 進行形の文
- 疑問詞を使った文
を考える時に大事なのは『受け身は単なるbe動詞文』だということ。
なので、
- 否定形にしたいのならbe動詞を否定
- 疑問文にしたいならbe動詞を前に出す
- 助動詞はbe動詞の前に置く
- 進行形は進行形の後ろに過去分詞を置く
- 疑問詞は一番前に置く
という単純な話!
「否定形はbe動詞 + not + 過去分詞で…」みたいな考え方はせず、単純に考えることで、簡単にマスターできる。
受動態の否定文
この絵は彼女によって描かれたわけではありません。
単純にbe動詞の『was』が否定形になっている。
受動態の疑問文
この絵は彼女によって描かれたものですか?
単純にbe動詞の『was』が前に出ただけ。
助動詞を使った受動態の文
その本は図書館から借りることができる。
(本は本の意志に関係なく貸されるので受け身。)
- 助動詞の後ろは動詞の原形
- 過去分詞は動詞ではない
ので、be動詞の原形である『be』が助動詞『can』の後ろに出てきている。
ちなみに、疑問文にする時も
Can you play~
のような文と同じように(この文自体はbe動詞文ではなく一般動詞文だが)
という形になる。
受動態の進行形
その本は貸し出し中です。
(借りられているところ)
「~されている」を進行形の形(be動詞 + -ing)にするために、過去分詞の前に進行形の『being』を召還している。
要は、過去分詞(borrowed)を進行形にしてしまったら、単なる進行形になってしまうので、過去分詞は進行形にはなれない。
なので、別の要素としてbeing(ほとんど意味を持たないbeの進行形)を召還しているということ。

疑問詞を使った受動態の文
その人形はどこで作られたの?
ただの疑問詞を使った疑問文と同じ!

不規則変化する重要動詞
過去分詞は、過去形と同じ方法(動詞に『er』をつける)で作れるものも多く、過去形と同じ形になることもある。
ただ、中には原形-過去形-過去分詞で、
- 3つともすべて一緒
- 3つとも全部違う
- 原形と過去分詞が同じ
といった特殊な変化をする動詞もある。
こういった不規則変化する動詞の中でもよく出てくるものは覚えておく方が良い。
3つとも同じ
意味 | 原形 | 過去形 | 過去分詞 |
切る | cut | cut | cut |
置く | put | put | put |
打つ | hit | hit | hit |
読む | read | read | read |
3つとも全部違う
意味 | 原形 | 過去形 | 過去分詞 |
壊す | break | broke | broken |
食べる | eat | ate | eaten |
忘れる | forget | forgot | forgotten |
得る | get | got | gotten |
与える | give | gave | given |
話す | speak | spoke | spoken |
取る | take | took | taken |
書く | write | wrote | written |
始める | begin | began | begun |
歌う | sing | sang | sung |
泳ぐ | swim | swam | swum |
知る | know | knew | known |
投げる | throw | threw | thrown |
する | do | did | done |
行く | go | went | gone |
見る | see | saw | seen |
原形と過去分詞が同じ
意味 | 原形 | 過去形 | 過去分詞 |
来る | come | came | come |
~になる | become | became | become |
走る | run | ran | run |