動名詞とは、文の主語・目的語・補語になれる名詞的な性質を持った動詞のこと。
という形であらわすことができる。
動名詞そのものが現在進行形と同じく、躍動感を持ち合わせているのが特徴。
また、動名詞は動詞そのものではないため、文中には動名詞とは別に動詞が必要になる。
歩くことは楽しい。
動名詞の日本語訳が「~すること」になる場合が多いため、中学校では「to不定詞と動名詞は同じもの(書き換えが可能)」と言われることが多いが、ニュアンスは違うので注意。(後述)
主語としての動名詞
歩くことは楽しい。
多くの場合、
- ~することは
と訳される。
『walk』のような動詞が、動名詞にすることで主語の位置にこれるのが特徴。
(Walk is funは動詞が2回続いているのでNG!)
to不定詞でも
歩くことは楽しい。
と日本語訳的には同じになるが、ニュアンスは変わってくる。
動名詞は、
- 散歩をしながら「歩くことは楽しい!」と言っている
- 普段から散歩が趣味で「歩くことは楽しい!」と実体験を語っている
といったニュアンス。
一方to不定詞は
- 静かに一般論として「歩くことは楽しいものだよ」と言っている
といったイメージ。
目的語としての動名詞
わたしは歩くことが好きです。
- ~すること
と訳されることが多い。
動名詞のwalkingが動詞のlikeの目的語になっている。
こちらも、to不定詞で日本語訳的にはほぼ同じ意味の文章を作ることができるが、to不定詞より動名詞の方が躍動感があるイメージになる。
補語としての動名詞
わたしの趣味は絵を集めることです。
「趣味として絵を集める」というような繰り返し行っていることには動名詞がピッタリ。
ちなみに、補語として動名詞を使う場合は
be動詞 + -ing
という現在進行形と同じ形になる。
(SVCの文はS=Cの形になるので、Vにほとんど意味を持っていないbe動詞が使われるため)
ここで大事なのはbe動詞 + -ingの形が、いつでも「しているところ(現在進行形)」と訳されるわけではないということ!
ただ、難しく考える必要はまったくナシ!
be動詞+-ing=現在進行形という思い込みさえしなければ、前後の文脈で現在進行形なのか動名詞なのかは読み取れる。
彼女は東京に滞在することについて考えています。
前置詞の目的語としての動名詞
彼女はケーキを焼くのが上手です。
動名詞は、前置詞(at)の目的語として使うこともできる。
この使い方(前置詞の目的語)はto不定詞にはできない動名詞だけの役割!
to不定詞がこの使い方をできないのは、『to』がついてくることで前置詞を続けて2回使っている形になってしまうから。
×She is good at to bake cakes.
◎She is good at baking cakes.
動名詞の意味上の主語
動名詞は意味上の主語が必要になることもある。
意味上の主語を難しく考える必要はなし!
要は、その『意味上の主語』がないと意味が変わってしまう場合は意味上の主語を入れれば良いだけ。
私は夕食を作るのが好きではない。
→making dinnerの主語はdon’t likeの主語と一緒。
私は彼女が夕食を作るのが好きではない。
→making dinnerの主語は『彼女』であって、don’t likeの主語(わたし)と同じではない
意味上の主語を入れる場合は、動名詞の直前に入れる。
動名詞と不定詞の違い
動名詞とto不定詞には
- 『動名詞-ing』はすでに実行済み(継続思考)/ 躍動的
- 『to不定詞』はこれから(未来志向)/ 少し硬い
という違いがある。
また、ニュアンスの違いによって、
- 後ろに動名詞しかとらない動詞
- 後ろにto不定詞しかとらない動詞
- どっちでもOKだが意味が変わってくる動詞
が存在する。
後ろに動名詞をとる動詞
ある具体的な状況(『これから』ではないこと)を思い浮かべるタイプの動詞は後ろにはすでに実行済み(継続志向)、躍動感を持つ動名詞しかこない。
admit | 認める |
avoid | 避ける |
consider | よく考える |
deny | 否定する |
enjoy | 楽しむ |
escape | 避ける、免れる |
finish | 終える |
imagine | 想像する |
mind | いやがる |
miss | しそこなう |
practice | 練習する |
quit | やめる |
stop ※使い分けには注意 |
やめる |
suggest | 提案する |
give up | あきらめる、やめる |
put off | 延期する |
recommend | 薦める |
ただし、『stop』は使い分けに注意が必要。
動詞のstopは後ろに動名詞しかとらないが(~するのをやめる)、自動詞のstop(立ち止まる)に副詞的用法のto不定詞が後ろにくっつくこともある。
わたしは水を飲むのをやめた。
わたしは水を飲むために立ち止まった。
後ろにto不定詞をとる動詞
これから(未来志向)の動詞は後ろにto不定詞をとる。
agree | 同意する |
care | したいと思う |
decide | 決心する |
desire | 強く望む |
expect | するつもりである |
hope | したいと思う |
manage | どうにか~する |
mean | するつもりである |
offer | しようと申し出る |
pretend | ふりをする |
promise | 約束する |
refuse | 拒む |
want | したいと思う |
wish | したいと思う |
後ろが動名詞かto不定詞かで意味が変わってくる動詞
中には後ろに動名詞をとるか、to不定詞をとるかによって文章全体の意味を変えてしまう動詞がある。
- remember(覚えている)
- forget(忘れる)
- regret(残念に思う)
- try(試みる)
- stop(止まる)
ただ、難しく考えず、
- 動名詞は『すでにしたこと』
- to不定詞は『これからすること』
と頭に入れておけば、大丈夫!
remember(覚えている)
remember -ing(動名詞) | (すでにしたことを)覚えている |
remember to~(to不定詞) | (これからすることを)覚えている →忘れずに~する |
ドアに鍵をかけたことを覚えていますか?
ドアに鍵をかけることを覚えていてください。
→忘れずにドアに鍵をかけてください。
forget(忘れる)
forget -ing(動名詞) | (すでにしたことを)忘れる |
forget to~(to不定詞) | (これからすることを)忘れる →し忘れる |
わたしは彼女に会ったことを決して忘れません。
彼女に会うことを忘れないでください。
regret(残念に思う)
regret -ing(動名詞) | (すでにしたことを)残念に思う →後悔している |
regret to~(to不定詞) | (これからすることを)残念に思う →残念ながら~しなければならない |
わたしは言ったことを後悔している。
残念ながらわたしはそれを言わなければならない。
try(試みる)
try -ing(動名詞) | (すでに)やった |
try to~(to不定詞) | (これから)やろうとしてみる |
彼女は箱を試しにあけてみた。
彼女は箱を開けようとしてみた。
